大腸癌の生検、病理検査

大腸癌の確定診断に欠かせない生検、病理検査

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大腸癌の診断は内視鏡の所見からも高い確率でつけることができますが、確定診断のためには病理検査を行い、組織学的診断をする必要があります。

病理検査とは内視鏡検査や手術などで組織を採取し、顕微鏡で観察する検査です。

がんが疑われる時には内視鏡を使って小さな組織を採取し顕微鏡で検査します。隆起型ポリープを切除する際に行う内視鏡的ポリペクトミーや表面型ポリープを切除する際に行う内視鏡的粘膜切除術で切除することも生検の一種です。

組織学的診断では採取した組織が正常なのか、良性腫瘍なのか、悪性腫瘍なのかを判断します。組織学的診断には「大腸癌取扱い規約の生検組織判定基準」が用いられます。

生検組織判定基準-大腸癌取扱い規約(金原出版)

グループ1
非腫瘍性で異型のない粘膜組織。
正常粘膜、および異型(細胞や腺管の形態が正常から離れること)のみられない炎症性あるいは過形成性粘膜
グループ2
非腫瘍性で異型を示す病変。
炎症性あるいは再生性変化、および軽度異型を示す過形成性ポリープ
グループ3
腫瘍性で軽度から中等度異型を示す病変。
軽度~中等度異型を示す腺腫
グループ4
腫瘍性で高度異型を示す病変。
高度異型腺腫、良悪性境界病変、きわめて分化のよい高分化腺癌が含まれうる
グループ5
明らかに癌と診断しうる異型を示す病変。
癌と診断

がん細胞は正常な細胞と比較して、細胞の大きさや形、内部の状態が異なっていたり、細胞の並び方が不規則であるなどの違いがあります。この違いを顕微鏡で観察してグループ鑑別をします。

なお、グループ分類は大腸がんの進行度(ステージ分類)とは異なります。グループ5の大腸癌細胞が見つかったと説明を受けるとステージ5のがんと診断されましたと相談される方がいらっしゃいますが、意味が異なりますのでご注意ください。

早期がんに対する内視鏡的切除後の病理検査

大腸癌の内視鏡的切除後には病理検査が行われ、顕微鏡で判定する組織学的診断がなされます。

腫瘍が粘膜にとどまり粘膜下層への浸潤がなく、切除した切り口(断端)にがんが見つからなければ内視鏡的切除のみでほぼ100%治すことができますので、治療は終わります。

しかし、粘膜下層に浸潤していた場合で、次の条件のいずれかが認められる場合にはリンパ節転移の可能性が10%程度認められるためリンパ節切除をともなう腸管の切除(=根治手術)が進められます。

  • 切除した腫瘍が低分化腺がん・未分化がんである
  • 切除断端にがん細胞が認められる
  • 脈管(血管またはリンパ管)の中にがん細胞が認められる
  • 粘膜下層への深い浸潤が認められる(1000μ以上である)

根治手術を行った場合の5年生存率は97%前後になります。

一方で高齢者や心臓が悪い、肺が悪いなどいろいろな病気があり根治手術のリスクが高い患者さんは、無理をして根治手術を受けると命を落とす危険性もあるため根治手術はせずに経過を見ていく方が良いと判断されることもあります。その場合の5年生存率は通常90%前後になります。

当院では大腸癌と診断されてもQOL(生活の質)を維持していくためには体力を付け、免疫を整えていく事が大切だと考えています。
 
患者さんやご家族・ご親戚・ご友人など皆様の笑顔が戻るように最大の努力を惜しむことなく相談・診察にあたります。

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