子宮頸がん(子宮頸癌)の再発・遠隔転移について

子宮頸がん(子宮頸癌)の再発

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子宮頸がん(子宮頸癌)の根治治療後、取り残したがんやすでに他の臓器などに転移していた小さながんが大きくなり、腫瘍として見つかったものが再発です。がんは早い段階からでも微細な浸潤や転移が起こっている可能性があるため、目に見える腫瘍を完璧に取り除いたとしても100%再発を防ぎきることはできないのです。

再発には子宮頸部もしくはその周辺で起こる局所再発、そして離れた場所で起こる遠隔再発があります。

通常、再発の治療は初回治療に比べて難しくなりますが、遠隔再発の場合はさらに難しくなります。遠隔再発が見つかったときには、検査で見つからない小さながんが他の場所にも複数あることが予想されます。ですからいま目に見えている腫瘍を局所的な治療で取り除いたとしても、また新たな腫瘍が発見される可能性が高いのです。体の負担が大きくなりすぎるため、通常はそれらを一つ一つ取り除いていくことはしません。

子宮頸がん(子宮頸癌)再発時の治療

早期治療後の再発の治療

早期の子宮頸がん(子宮頸癌)の治療で円錐切除術やレーザー蒸散術を選択して子宮温存した場合、再発が見つかることが多いのは残した子宮頸部です。

子宮頸部にがんがとどまっているのであれば、再び円錐切除術を行うか子宮摘出術によりがんを取り除くことができます。
この場合に限っては再発といえども比較的予後は悪くありません。

子宮全摘術後の再発の治療

子宮全摘術を行った後での再発は、骨盤内の膀胱、直腸、リンパ節、骨盤壁、切除した膣の端で多く見つかります。まだ放射線療法を行っていなかった場合は、再発治療として放射線療法を行うことが多くなります。

膣だけに再発が見られる場合は比較的予後が悪くありませんが、骨盤壁再発では予後不良となり、放射線療法にプラチナ製剤を含む強力な化学療法(抗がん剤)加えた放射線化学療法が選択されることがあります。

放射線療法をすでに行っていた場合の再発では、病巣の根絶が難しく予後は厳しくなります。放射線照射野の再発に対してさらに再度の放射線照射を行うこともありますが、高頻度で膀胱や腸の障害が発生してしまいます。化学療法(抗がん剤治療)は、放射線照射後の再発に対する効果が悪いのが普通で、副作用ばかりが目立つことになります。

手術の場合は、再発の病巣が小さく、骨盤に達しておらず、初回治療から1年以上経過しているといった条件(特に膣に腫瘍が限局していてる)では、腫瘍を完全に取り除くことができればある程度の治療成績を期待できます。しかし条件を外れていれば予後はやはり厳しくなります。

いずれにしても著しいQOL(生活の質)の低下が起こりやすく、体に大きな負担がかかる治療となります。負担に耐える体力がないと判断されれば、積極的な治療は見送られることになるでしょう。

遠隔再発の治療

遠隔再発は肺、肝臓、骨盤外のリンパ節などで見つかることがあります。遠隔再発時の治療として、通常は全身治療である化学療法(抗がん剤治療)が選択されます。血液を介して全身に抗がん剤を行き渡らせ、広範囲に散らばった小さながんを叩くことを期待します。

やはり体力が落ちていて副作用に耐えられそうにない場合は、化学療法(抗がん剤治療)は行われないでしょう。がんが血液によって運ばれるものを血行性転移、リンパ液によって運ばれるものをリンパ性転移といいます。子宮頸部以外にがんが肺や肝臓など、原発巣から離れた場所で見つかった場合を遠隔転移といいます。遠隔転移を伴う進行した子宮頸部がんはIVB期となります。

IVB期では化学療法(抗がん剤治療)が標準的な治療です。遠隔転移が起きているということは、がん細胞はすでに血流やリンパ液に乗って全身をめぐっているわけですから、原発巣の子宮頸部やその周囲を治療したとしても、がんの広がりを止めることはできません。転移巣を治療したとしても、しばらくすると新たな転移が見つかる可能性が高いため、通常は転移巣の局所的な治療は行いません。

遠隔転移した場合でも、最初にできた子宮頸がん(子宮頸癌)と同じ性質を持っているため、子宮頸がん(子宮頸癌)治療に使用する抗がん剤を用いて治療を行うことになります。

詳しくは子宮頸がん(子宮頸癌)の化学療法をご覧ください。

 

 

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