前立腺癌の手術療法について

前立腺全摘除術

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開腹して前立腺を全て摘出する手術です。精嚢も一緒に取り除き、骨盤内のリンパ節を郭清しますから、根治性の高い治療です。
ただしPSA値、グリーソンスコアなどが低値でリンパ節転移の可能性が低いと考えられる場合は、リンパ節郭清を行わないこともあります。
手術で切断された尿道を吻合します。吻合部からの尿漏れを防ぐため、術後はしばらく尿道カテーテルを留置します。

この手術を行うかどうかは、期待余命が10年以上あり、PSAは10ng/ml以下、グリーソンスコア7以下、がんが前立腺内にとどまっていることが目安となります。 だたし画像診断の所見などから判断して、これ以上に進行していても手術を行うケースがあります。

前立腺全摘術を行うと、PSA値は0.1ng/ml以下になります。ですから術後の再発は定期的なPSA検査によって簡単にチェックすることができます。 PSA値が0.2ng/mlを超えてきたときは再発が疑われます。(PSA再発)
余命が長く、がんが前立腺内にとどまるときによく選択される治療法ですが、体への負担が大きいことや後遺症が問題になります。
また残念ながら前立腺全摘除術を行っても再発・転移が起こることがあります。

合併症

術後に尿失禁、性機能障害がよく起こります。
ほとんどの人は術後に尿失禁を経験しますが、時間の経過と共に回復します。術後に尿パッドが必要となっても、1年後にはほとんどの人がパッド不要となります。
勃起障害(ED)は高い頻度で起こります。
徐々に回復しますが、回復しない人も少なくありません。
手術時に勃起神経を温存できるかどうかで回復の程度が変わりますが、勃起神経は前立腺に近いために必ず温存できるとは限りません。

なお前立腺と精嚢を摘出してあるため、精液が出ること(射精)は望めません。

腹腔鏡下前立腺全摘除術

開腹せずに、腹部に開けた小さな穴から入れた腹腔鏡の映像を見ながら手術する方法です。開腹に比べて低侵襲ですが、より難度の高い手術です。
手術の内容は開腹手術と変わりません。 前立腺と精嚢の摘出とリンパ節の郭清を行います。

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