膵臓癌の進行度(ステージ)

膵臓癌の病期分類として、わが国では日本膵臓学会の「膵臓癌取扱い規約」と国際的なTNM分類に基づく分類とが多く用いられており、それぞれ若干の違いがあります。いずれもがんの深達度(がんの深さ)と転移の状況で進行度は決まります。

  1. 原発巣(深達度・大きさ):T因子
  2. リンパ節転移の有無:N因子
  3. その他の転移(遠隔転移)の有無:M因子

膵癌取扱い規約(第6版:2009年)

原発巣(大きさ):T因子-膵臓癌の進行度

膵臓癌がどの程度の深さまで達しているかにより分類されます。

TX 原発腫瘍の存在が判定できない。
Tis 非浸潤癌(非浸潤性の粘液性嚢胞腺癌および膵管内乳頭粘液性腺癌,上皮内癌)
T1 癌が膵臓内に限局し、最大径が2㎝以下
T2 癌が膵臓内に限局し、最大径が2㎝より大きい
T3 癌の浸潤が膵内胆管(CH),十二指腸(DU),膵周囲組織(S,RP)のいずれかに及ぶもの
T4 癌の浸潤が隣接する大血管注 3(PV,A),膵外神経叢(PL),他臓器注 4(OO)のいずれかに及ぶもの

リンパ節転移の有無:N因子-膵癌の進行度

膵臓癌をリンパ節転移の有無により分類します。リンパ節はがんがリンパ管内を流れ、一気に静脈内に流入しないようにする関所のような役割を担っており、膵臓に近いリンパ節から順に一群~三群に分類し、どのリンパ節まで達しているかにより判断されます。

NX 所属リンパ節評価不能
N0 所属リンパ節転移なし
N1 1群リンパ節のみに転移
N2 2群リンパ節まで転移
N3 3群リンパ節まで転移

その他の転移(遠隔転移)の有無:M因子-膵癌の進行度

膵臓癌を肝臓転移や肺転移、骨転移、腹膜播種など遠隔転移の有無により分類します。

MX 遠隔転移評価不能
M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移がある

膵臓癌の進行度(ステージ)の表

深達度、リンパ節転移の有無、遠隔転移、の項目ごとに該当する進行の程度をもとめ、そのうちで最も高いものをもってがんの病期(ステージ)とします。

進行度 日本膵臓学会 膵癌取扱い規約
ステージ T因子 N因子 M因子
Stage0 Tis N0 M0
StageI T1 N0 M0
StageII T1
T2
N1
N0
M0
StageIII T1
T2
T3
N2
N1-N2
N0-N1
M0
StageIVa(4a) T3
T4
N2
N0-N1
M0
StageIV(4) anyT(T0~T4) anyN(N0~N1) M1

UICC TNM分類第7版(2009年)

原発巣(大きさ):T因子-膵臓癌の進行度

TX 原発腫瘍の存在が判定できない。
T0 原発腫瘍を認めない
Tis 上皮内癌
T1 癌が膵臓内に限局し、最大径が2㎝以下
T2 癌が膵臓内に限局し、最大径が2㎝より大きい
T3 膵臓外に進展するが、腹腔動脈管または上腸間膜動脈に浸潤を伴わない
T4 腹腔動脈管または上腸間膜動脈に浸潤する

リンパ節転移の有無:N因子-膵癌の進行度

NX 所属リンパ節評価不能
N0 所属リンパ節転移なし
N1 所属リンパ節転移あり

その他の転移(遠隔転移)の有無:M因子-膵癌の進行度

MX 遠隔転移評価不能
M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移がある

膵臓癌の進行度(ステージ)の表

深達度、リンパ節転移の有無、遠隔転移、の項目ごとに該当する進行の程度をもとめ、そのうちで最も高いものをもってがんの病期(ステージ)とします。

進行度 TNM-UICC分類第7版による膵臓癌の臨床病期(2009)
ステージ T因子 N因子 M因子
Stage0 Tis N0 M0
StageIA(1A) T1 N0 M0
StageIB(1B) T2 N0 M0
StageIIA(2A) T3 N0 M0
StageIIB(2B) T1~T3 N1 M0
StageIII(3) T4 anyN(N0~N1) M0
StageIV(4) anyT(T0~T4) anyN(N0~N1) M1

膵臓癌は進行度によって治療法は異なります

膵臓癌の治療はがんの進行度によって異なってきます。そのため担当医師から進行度について正しい説明を受けることが大切です。

膵臓癌の予後

膵臓癌のステージ別の1年生存率

■膵癌全国登録調査報告による治療法別の生存率

pancreas6_list3

上の表は、すい臓がんの治療別1年生存率を表したものです。

この表をご覧に頂きますとすい臓がん治療の非常に厳しい現実をご理解いただけると思います。

1年生存率とは、1年間再発しないということではなく、衰弱しても生存していればカウントされる数値で(状態はともかく)治療開始から1年後に生存している人の割合です。

手術ができた場合、きれいに癌を切除ができても1年生存率はわずかに50%、取り残しがあった場合には13.7%に下がります。

当院では膵臓癌と診断されてもQOL(生活の質)を維持していくためには体力を付け、免疫を整えていく事が大切だと考えています。
 
患者さんやご家族・ご親戚・ご友人など皆様の笑顔が戻るように最大の努力を惜しむことなく相談・診察にあたります。

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