膵臓癌の血液検査

膵臓癌の腫瘍マーカーの利点・欠点

腫瘍マーカーは正常な細胞からも多少はつくられますが、がん細胞から特に多くつくりだされるたんぱく質や酵素で、がん(癌)の有無や種類、進行状態を示す指標となります。腫瘍マーカーの検査は、一般に血液を採取するだけで用意に検査できるため広く普及しています。また、腫瘍マーカーの数も50を超えるまでになっています。

膵臓癌では腫瘍マーカーの数値を調べることで手術後の取り残しがないか、抗がん剤や放射線治療の効果があったか、再発の兆候がないかなどをおおよその目安として判断することができます。

腫瘍マーカーの検査は採血するだけで簡便な方法ですが、いくつかの不確実な面もあります。

  • 腫瘍マーカーは偽陽性を示すこともある
  • ある程度がん(癌)が進行しなければ陽性(高い値)を示さないことがある
  • 進行がんでも陽性にならないこともある
  • 複数の臓器でつくられるためがん(癌)がある臓器を特定できない

そのため、腫瘍マーカーが高い値を示した場合でも、がん(癌)の疑いがあるに過ぎず確定検査には画像検査などを平行して行う必要があります。腫瘍マーカーが高値というだけではがんの確定診断はできません

膵臓癌の腫瘍マーカー

現在、膵臓癌の腫瘍マーカーとしては主にCA19-9やDUPAN-2、SPan-1、エラスターゼ1、CEAなどが臨床の現場で用いられています。これら腫瘍マーカーは早期膵臓癌の診断には陽性率が低く、がん発見のための検査としてはあまり有用ではありませんが、化学療法(抗がん剤)などの治療効果の判定には有用なことが多くなります。

※各マーカーの基準値は使用するキットの違いで基準値が異なります

CA19-9-膵臓癌腫瘍マーカー

【基準値 37(U/ml以下)】
CA19-9は膵臓癌や進行した消化器系腫瘍(進行胃がんや大腸がん)などで高頻度かつ高濃度に検出される優れた腫瘍マーカーの一つです。良性疾患における偽陽性率は低く、その場合も100U/mlを超えるような異常高値例は比較的稀になります。

CA19-9は膵臓癌以外では胆嚢がん、胆管がんなどの胆道がんで特に高値になるケースが多くなります。

DUPAN-2-膵臓癌腫瘍マーカー

【基準値 150(U/ml以下)】
DUPAN-2は、膵臓癌や胆嚢がん・胆管がん・肝臓がんなどで高い陽性率をしめす一方で食道がんや胃がん、大腸がんなどの消化器がんでは陽性率が低いという特徴があります。また、慢性膵炎や急性膵炎ではほとんどのケースで低値であるため、膵臓癌が疑われた場合に良性疾患との鑑別ならびに術後・治療後の経過観察に有用な指標となります。

基準値150U/mlでは良性疾患においてはかなりの偽陽性が認められますが、400U/ml以上では悪性腫瘍の可能性が高まります。

Span-1-膵臓癌腫瘍マーカー

【基準値 30(U/ml以下)】
Span-1は良性疾患による偽陽性率は極めて低く、さらに膵臓癌との鑑別に困難を伴う急性膵炎の偽陽性例も多くは軽度上昇に留まることから、より特異性の高い癌の診断、および術後・治療後の経過観察に有用な指標とされています。

エラスターゼ1-膵臓癌腫瘍マーカー

【基準値 300(ng/dl)以下】
膵臓癌においてエラスターゼ1は、腫瘤による膵管閉塞に基づく随伴性膵炎を反映して異常高値を示します。特に切除可能な比較的早期の症例に1,000ng/dlを超える異常高値がしばしば認められる一方、進行癌では正常値ないし低値を示す傾向にあります。

こうした知見から、エラスターゼ1が膵癌の早期発見に有用なマーカーであることを意味すると考えられています。また、一般にエラスターゼ1の高値は膵尾部癌に比べて膵頭部癌により多いとされています。

CEA-膵臓癌腫瘍マーカー

【基準値:2.5(ng/ml)以下-RIA法/5.0(ng/ml)以下-EIA法】
CEAはもっとも一般的な腫瘍マーカーで、膵臓癌以外にも大腸がんや胃がんなど消化器のがんや乳がん、肺がんなどで数値の上昇がみられます。

その他の血液検査

耐糖能異常(血糖値上昇)や膵臓の酵素(アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ)の上昇、ビリルビン値やγ-GTP、LAP、ALPといった数値の上昇が診られる事があります。

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