膵臓癌の画像検査

膵臓癌は早期発見が困難な難治性のがん

膵臓癌は極めて進行が早く難治性の病気であり、手術による摘出が「できる」か「できない」かが予後を大きく左右することになります

しかし、画像診断の進歩がみられた今日でも多くの症例が切除不能な進行した状態で発見され、また切除された症例においても術後早期の段階で再発する事が多い予後不良のがんであることは間違いありません。

したがって、急性膵炎や慢性膵炎、糖尿病、胆石症、膵臓がんの家族歴がある方など高リスク群の方は、定期的に(年二回以上)お近くの医療機関で腹部超音波検査や血液検査を行うことをお勧めいたします。

膵臓癌の検査-腹部超音波検査(エコー検査)

超音波検査(エコー検査)は膵臓癌が疑われる場合に最初に行われる検査で超音波診断装置を使用する検査で、体の中にある臓器などに超音波が当たって跳ね返ってきた信号が映像になって映し出されます。

超音波検査は人体に害が無く(非侵襲)、何回でも繰り返して行うことが出来ます。膵頭部と膵尾部の一部が見えにくいという欠点がありますが、2cm以上のがんであれば見つけられる可能性が高くなります。条件によっては2cm以下でも見つけることができる場合もあります。

膵臓は身体の深い部分にあり、膵臓の手前には胃や腸があり胃や腸の中の空気が膵臓への超音波到達を邪魔するので超音波検査では詳細な情報を得る事ができない場合があります。その欠点を補うために開発されたのが超音波内視鏡検査になります。

膵臓癌の検査-超音波内視鏡検査(EUS)

超音波内視鏡検査(EUS)は胃・十二指腸用の内視鏡の先端にエコーがついた装置を用いて、胃や十二指腸から超音波検査を行います

身体の表面から行う超音波検査と比較すると、腸管内の空気や腹壁・腹腔内の脂肪などによる妨げがないため膵臓全体を検査する事ができ、また、小さな膵臓癌の診断においても有用です。

膵臓癌の検査-CT検査

CT検査(CTスキャン)はX線で体の内部を描き出し病変の状態や周辺臓器へのがんの広がり、転移の有無などを調べる検査です。超音波検査で調べきれなかった場合でも膵臓癌を見つけることができる事があります。また、肝臓転移や肺転移、リンパ節転移、周辺臓器への浸潤、腹水貯留の有無などを観察するにはとても有用な方法です。

最近ではダイナミックCTやヘリカルCT、マルチスライスCTなど造影効果がより鋭敏な撮影法も開発され、より小さな膵臓癌も見つける事ができるようになってきています

ただし、CT検査では強いX線を浴びることになりますから、被爆のリスクも伴うため、頻回な検査は避ける事が望まれます。また、造影剤を使用する場合、アレルギーが起こることがあるのでアレルギーの経験のある人は事前に申し出るようにしてください。

膵臓癌の検査-内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP検査)

ERCP検査は十二指腸内視鏡を口から入れて十二指腸まで送りこみ、この内視鏡を通じてカテーテルという細い管を胆管に入れて膵管まで通し、ここから胆管に造影剤を注入して胆管と膵管やその枝分かれした部分のX線画像を撮影する検査です

ERCPの際に膵液や胆汁を直接採取して細胞診断を行い、膵臓癌であることの確定診断を行います。

MRCPの検査よりも鮮明な画像を得ることができますが、膵炎などの合併症が起こる可能性が数%程度あることや技術的に難しい検査であることなどの理由から最近では以下で紹介するMRCP検査の方が多く行われるようになってきました。

進行膵臓癌では超音波検査やCT検査で診断が可能ですが、まだ小さな段階であったり、膵管内乳頭線癌の場合にはERCPは有用な検査です。

膵臓癌の検査-磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP検査)

MRCP検査はMRI検査(核磁気共鳴画像検査)を応用した検査です

MRCP検査は膵管像や胆管像を構築する事ができ、CT検査と違ってX線の被爆がないことや造影剤を胆管や膵管(すいかん)に直接注入する必要がないなど患者さんへの負担が少ないことが大きな利点になります。胆管と膵管の造影ができ狭窄や閉塞などの症状がでていれば見つけることができます。

膵臓癌の検査-血管造影検査

血管造影検査は、足の付け根の動脈からカテーテルという細い管を挿入して造影剤を注入し、膵臓およびその周囲の血管を映しだす検査です。血管の走行が確認でき、血管への影響をみることでがんの広がりを把握することができます。

膵臓癌の検査-PET検査

PET検査はがん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む、という性質を利用します。ブドウ糖に似た物質に目印をつけて(FDG)体内に注射し、しばらくしてから全身をPETで撮影します。するとFDGが多く集まるところがわかり、がんを発見する手がかりとなります。
転移病変の存在診断に威力を発揮することもありますが、まだ、標準的な検査といえるまでには普及していません。

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