肺の扁平上皮がん(扁平上皮癌)を理解する

 

肺扁平上皮がん(肺扁平上皮癌)とは?

肺がんの組織学的分類(顕微鏡で見たときの形態分類)は多様であるという特徴を持っており、さまざまな種類の癌が存在します。

しかし、肺癌の90%以上は腺がん(腺癌)扁平上皮がん(扁平上皮癌)大細胞がん(大細胞癌)小細胞がん(小細胞癌)の4大組織型で占められています。

肺がんのうち扁平上皮がん(扁平上皮癌)は、腺癌についで発生頻度が高く、男性の肺癌のうち約40%、女性では約15%、全体では30%程度を扁平上皮がん(扁平上皮癌)が占めています。

肺の中枢の気管支に発生する肺門型(中心型)肺がんと呼ばれるがんの頻度が高くなります。そのため早期には通常の胸部X線検査で発見されにくいがんになります。肺癌の中ではリンパ節転移および血行性の遠隔転移が比較的遅く他の組織型に比較すると予後は若干良くなります。

肺 扁平上皮がん(肺 扁平上皮癌)の症状

扁平上皮がん(扁平上皮癌)は肺門型がんが多いため、ある程度進行すると咳や血痰などの症状が現れるようになります。

さらに進行した場合には喘鳴(ぜいめい)、息切れなどを起こすことがあります。さらに胸壁や胸膜に浸潤した場合には胸椎が溜まってきたり(胸水貯留)、胸部痛や呼吸困難が見られることがあります。

時には、神経が侵されることにより腕の痛みやしびれ、胸や肩の痛み、顔面や上肢の浮腫などが見られることもあります。

肺扁平上皮癌の化学療法(抗癌剤治療)・分子標的薬

化学療法(抗癌剤)-肺扁平上皮癌の治療

非小細胞肺がんの化学療法では、プラチナ製剤とそれ以外の抗がん剤を組み合わせた治療が主流です。

具体的にはアリムタ+シスプラチン、イリノテカン+シスプラチン(IP療法)やシスプラチン+ビノレルビン、シスプラチン+ゲムシタビン、シスプラチン+ドセタキセル、シスプラチン+エトポシド(PE療法)、アリムタ+カルボプラチン、カルボプラチン+パクリタキセル、カルボプラチン+エトポシド(CE療法)などの組み合わせで治療が行われます。また、単剤ではパクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ゲムシタビン(ジェムザール)などが代表的な抗がん剤になります。

分子標的薬(イレッサ、タルセバ、ジオトリフ、ザーコリ、アレセンサ)-肺扁平上皮癌の治療

従来型の抗癌剤の治療は癌細胞を強い毒で殺そうという発想の薬でしたが、肺扁平上皮癌の増殖に関与する遺伝子異常に目をつけ、癌細胞の増殖を阻害しようとした薬がイレッサ、タルセバ、ジオトリフなど分子標的薬と呼ばれる新しいタイプの薬です。

またザーコリやアレセンサはALK融合遺伝子をターゲットとした分子標的薬でイレッサやタルセバ、ジオトリフとは作用機序が異なります。

分子標的薬イレッサ(ゲフィチニブ)分子標的薬タルセバ(エルロチニブ)分子標的薬ジオトリフ(アファチニブ)ザーコリ(クリゾチニブ)アレセンサ(アレクチニブ)は「マイルドな薬」「副作用が弱い薬」などと説明を受ける患者さんが多いようですが、イレッサやタルセバ、ジオトリフ、ザーコリ、そしてアレセンサの使用に起因する死亡は数%程度の確率で起こっています。

決して誰でも使える安全な薬ではない事は忘れず、副作用がでたらすぐに医師や薬剤師に伝えて薬の使用中止を検討することも大切です。

癌増殖を免疫で抑えようとするオブジーボ(ニボルマブ)も保険適応となり肺扁平上皮癌の治療成績は改善傾向にあります。

生活習慣を見直すことが大切

肺がん発症のメカニズムはまだ不明な点も多く、十分に解明はされていませんが、喫煙は明らかな危険因子です。

特に扁平上皮がん(扁平上皮癌)は喫煙と関係が高くなります。

一般に喫煙指数(1日の喫煙本数と喫煙年数をかけあわせた数値)が600以上の人は、肺癌になるリスクが高いといわれています。また、毎日喫煙する人の肺癌になるリスクは非喫煙者と比較して4~5倍、さらに喫煙開始年齢が低いほど肺がんになるリスクが高くなり20歳前に喫煙を開始した場合には非喫煙者の実に6倍もリスクが高くなるというデータもあります。

一般に10年間禁煙した場合には肺癌に罹患するリスクは1/3~1/2までに減少します。今からでは遅いということはありません。すぐにでも喫煙習慣を見直していただく事をお勧めします。

当院では肺癌と診断されてもQOL(生活の質)を維持していくためには体力を付け、免疫を整えていく事が大切だと考えています。
 
当院では患者さんやご家族・ご親戚・ご友人など皆様の笑顔が戻るように最大の努力を惜しむことなく相談・診察にあたります。

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