食道癌は早期発見が困難な難治性のがん

食道癌治療においては、主に外科的手術・放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)などの治療が柱となります。

しかし食道癌は初期症状に乏しく、早期発見が困難ながんで、有効な治療法が少ない状態が続いています。そのため食道癌は難治癌とよばれています。

食道癌により食べ物が使える(飲み込みにくくなる)ようになったり、体重が減少したり、声がかすれたり、咳や声がれ、息切れなどの症状があらわれた時には既に進行食道がん(進行食道癌)となっていることが多いですし、さらに胸部痛や呼吸困難、背部の痛み、吐血などの自覚症状が現れたときには既に転移していて手術適応とならないことも少なくありません。

食道癌は手術や放射線化学療法だけでは安心できない

食道癌が粘膜に留まるごく早期(0期)の場合、内視鏡切除(内視鏡的粘膜切除術)が標準的な治療です。
もし食道癌が粘膜に留まっていても範囲が広く拡がっている場合は内視鏡切除後に狭窄(きょうさく)を起こしやすいため、放射線治療が選択されるケースもあります。

食道癌の手術は体への負担も大きく難しい手術ではありますが、現時点では手術療法が最も確率高く食道癌を治すことができる治療であるため、条件にもよりますが手術は優先度の高い治療になります。

放射線治療と抗がん剤治療を行う放射線化学療法も広く行われるようになってきており、外科手術との効果を比較する研究も始まっています。

ステージ1の食道癌で粘膜下層までにとどまっていて、リンパ節転移もない場合は放射線化学療法(抗癌剤+放射線治療)が手術と同等の治療成績が期待できるという報告もあるため、手術で食道を切除せずに放射線化学療法を選択される方もいらっしゃいます。

過酷な治療(手術や放射線治療、抗癌剤治療)を乗り越えたとしても安心はできません。

ステージ1の食道癌でさえも5年生存率は約86%、ステージ2では約50%、ステージ3では約30%、そして手術が難しいステージ4の場合は3年生存率でも約17%と大変厳しい状況にあります。
※全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査 KapWeb(2016年2月集計)による

手術後や放射線化学療法後に再発してしまうことも少なくないため、食道癌の治療後には5年をめどにフォローアップ(経過観察)が行われます。

食道癌の根治手術後、進行度によっては再発を予防する目的で放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)が積極的に行われますが、副作用に苦しんでいる方が多く見受けられますし、放射線治療や抗がん剤の治療を受けたからといって再発しなくなるというものでもありません。

「統計的に数%再発のリスクが低くなる」ということですから、副作用が強いためQOLが著しく低下してしまうようでしたら抗がん剤治療を中断したほうが患者さんの不利益が少なくなるということも十分に考慮する必要があります。
※治療継続の判断は必ず担当医師にご相談下さい。

食道癌が再発・転移した時の治療

手術後に再発・転移した食道癌の治療は抗がん剤の治療が中心となりますが、残念なことに十分な効果が得られるケースはあまりないことを知っておく必要があります。

初診時に肝臓や肺、骨や脳などに転移を有する進行食道がんと診断された場合は手術適応とはなりません。この場合も抗がん剤治療が中心となりますが、やはり長期にわたり病状進行を抑えていくことは難しいのが現実です。

再発を心配するあまり精神的に不安定になったり、副作用で辛い思いをしたり、あるいは病状悪化を十分に抑えることができずに苦しまれている方は本当に多く見受けられます。

早期食道がんの再発・転移を防ぎ、進行食道癌でも充実した人生を過ごすために

食道癌の治療は手術でがん細胞を取り除いたら終わりではありません。放射線療法や化学療法(抗がん剤)で叩けば簡単に食道癌が治るわけでもありません。

根本的に食道癌を克服する、あるいは克服できなくとも食道癌との共存を目指すには、食道癌になってしまった原因が何かを考え、食道癌が再発しにくい体内環境を作ることが大切だと思います。さらには治療中、治療後の生活の質を保ち精神的にも肉体的にも安定した豊かな人生・満足度の高い人生にすることがとても大切ではないかと思います。

大学病院やがんセンターなど癌拠点病院でたとえ「治療法は無い」と告知をされてしまっても、できることはありますし、生活の質を保つ、あるいは向上させる術はあるかもしれません。

現在の治療効果が十分あり、生活の質にも満足していて、今後の不安もまったく無いのであればとてもすばらしいことだと思います。

しかし、少しでも悩まれているようであれば闇雲に治療を受け続けるのではなく、治療を補完するいろいろな方法・考え方があるということを知ることは、今後の闘病生活に役立てるものと思います。

食道癌の治療に際し、まず当HPで食道癌に関する情報を知っていただき、これからの治療に役立てていただければと思います。

当院では食道癌と診断されてもQOL(生活の質)を維持していくためには体力を付け、免疫を整えていく事が大切だと考えています。
 
当院では患者さんやご家族・ご親戚・ご友人など皆様の笑顔が戻るように最大の努力を惜しむことなく相談・診察にあたります。

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食道癌情報目次

  1. 症状、治療、生存率、手術
    今ご覧いただいているこのページです
  2. 原因、特徴
    食道癌の種類(組織型)と特徴、発生原因について
  3. 初期症状と末期症状
    食道癌の初期症状や進行した時の症状について
  4. 診断・検査
    食道癌の組織診断(生検)・画像検査(食道造影検査、食道内視鏡検査、超音波内視鏡検査、CT検査、MRI検査、PET検査、骨シンチグラフィー)・血液検査について
  5. ステージと生存率・余命
    TNM分類による食道癌の進行度(ステージ)、5年生存率について
  6. 手術
    食道癌の手術(膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除など)について
  7. 放射線治療
    食道癌の放射線療法、食道癌の放射線治療治療の目的、骨転移や脳転移した食道がんに対する放射線治療について
  8. 化学放射線治療(抗がん剤)
    食道癌の化学療法(抗がん剤治療)、抗がん剤の種類や抗がん剤の副作用、効果判定基準について
  9. 再発・転移
    食道癌の再発、遠隔転移(食道、肝臓、骨、脳など)した場合の治療について
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  • 食道がんステージと生存率・余命【国分寺鈴木医院】
  • 食道がんの手術・内視鏡切除を受ける方へ【国分寺鈴木医院】
  • 食道がん放射線治療を受ける方へ【国分寺鈴木医院】
  • 食道がん化学療法(抗がん剤)を受ける方へ【国分寺鈴木医院】
  • 食道がんの再発・転移-QOL維持のために【国分寺鈴木医院】